会社設立後、税務上やるべき手続は多岐にわたり、一つでも漏れると後々大きな不利益を被ることがあります。特に「青色申告承認申請書」の提出期限を過ぎると、その期は青色申告できず、繰越欠損金などの大きな節税メリットを失うことになります。本コラムでは、横浜キャピタル税務事務所の税理士が、会社設立後に必ずやるべき7つの税務手続と、見落としやすい注意点を解説します。

会社設立後にやるべき税務手続7つ

1. 法人設立届出書(設立から2ヶ月以内)

税務署・都道府県税事務所・市区町村役場の3篇所に提出が必要です。定款、設立登記事項証明書、股主名簿などを添付します。

2. 青色申告の承認申請書(最重要)

提出期限は「設立から3ヶ月以内、または最初の事業年度終了日の前日のいずれか早い日」。提出を忘れると初年度は白色申告となり、欠損金10年繰越・少額減価償却資産特例などの節税メリットを失うことになります。創業期で赤字が出やすい初年度に青色申告を適用できるかどうかは、その後の手取りを大きく左右します。

3. 給与支払事務所等の開設届出書(給与支給開始から1ヶ月以内)

役員報酬・従業員給与を支払う場合に必要。会社を設立した以上、役員報酬を支給するケースがほとんどなので、亡れずに提出しましょう。

4. 源泉所得税の納期の特例の承認申請書(任意)

従業員10人未満なら、源泉所得税の納付を「毎月」から「年2回(1ー6月分・7ー12月分)」にまとめられる特例です。事務負担軽減に効果的。

5. 消費税関係の届出(任意・必要に応じて)

インボイス登録、消費税課税事業者選択届出、簡易課税制度選択届出など。設備投資が大きい初年度に「課税事業者選択届出書」を出すと、消費税還付を受けられるケースがあります。

6. 棚卸資産の評価方法の届出書(最初の確定申告期限まで)

低価法を採用する場合などに必要。提出がない場合は「最終仕入原価法」が適用されます。

7. 減価償却資産の償却方法の届出書(最初の確定申告期限まで)

法定の方法以外を選択する場合に提出。建物以外の有形減価償却資産は、法人では定率法が原則。定額法を選ぶなら提出が必要です。

特に見落としやすい3つの落とし穴

落とし穴1:青色申告承認申請の期限ミス

「3ヶ月以内」の起算日を勘違いしやすいです。設立日(登記日)から起算します。底籍証明書を取得した日や事業開始日ではないことに注意してください。

落とし穴2:役員報酬は3ヶ月以内に決定・固定

役員報酬は設立日から3ヶ月以内に決議し、その後は原則変更できません(定期同額給与)。決定が遅れたり、途中で金額変更したりすると、損金算入できないリスクがあります。設立直後に顧問税理士と相談して適切な金額を設定しましょう。

落とし穴3:消費税の課税事業者選択届出のタイミング

創業期は課税売上高が1,000万円以下なら免税事業者となります。しかし、大きな設備投資がある初年度に「課税事業者選択届出書」を提出しておくと、消費税の還付を受けられるケースがあります(例:店舗事業、不動産購入など)。設立直後に計画的に判断するべきテーマです。

顧問税理士に依頼するメリット

期限管理を任せられる

税務手続の期限は数十種類。すべてを経営者が管理するのは現実的ではありません。期限ミスによる不利益は金額換算すると数十万円・数百万円に及ぶこともあります。

節税につながる選択肢を提示してもらえる

青色申告、消費税の選択、役員報酬の設計など、初動で決めるべき項目が多数。税理士に相談することで、見落としを防ぎ、最適な選択をできます。

法律事務所連携でリーガル面も安心

横浜キャピタル税務事務所は、弁護士法人横浜キャピタル法律事務所と連携。会社法・契約・労務・知的財産まで、創業期のリーガル課題に一貫対応できる体制を整えています。

まとめ

会社設立後の税務手続は、期限を過ぎると取り返しがつかないものが多くあります。特に青色申告承認申請の期限は、創業期の重要な節税メリットを左右します。「忙しさで後回し」にならないよう、設立直後から税理士に相談することをおすすめします。横浜キャピタル税務事務所では、会社設立直後からの税務サポートを行っており、起業家・スタートアップの成長を税務面から支えます。

弁護士・税理士の視点|税務手続だけでは足りない「3つの落とし穴」

会社設立後の税務手続は重要ですが、それだけでは将来のトラブルを防げません。横浜キャピタル税務事務所では、弁護士・税理士のWライセンスを持つ専門家が、税務手続の先にある法的リスクまで含めてアドバイスします。

1. 定款の不備が後のトラブルを招く

会社設立時の定款は、ひな形をそのまま使うケースが多いですが、株式譲渡制限・取締役会設置・剰余金配当の決定方法など、自社の実態に合った設計をしないと、後の事業承継やM&A、株主間紛争の場面で大きな足かせになります。設立後の定款変更は株主総会決議と登記変更コストが必要となるため、設立時点での適切な設計が重要です。

2. 共同創業者がいる場合の株主間契約

共同創業者・出資者がいる場合、設立時に株主間契約を締結していないと、創業メンバーの離脱・出資比率の変動・経営方針対立などで紛争に発展しやすくなります。Vesting条項(株式の段階的付与)、Tag-along/Drag-along条項、競業避止義務などを含む株主間契約は、設立直後の関係が良好なうちに締結しておくのが鉄則です。

3. 役員報酬の設定と事前確定届出給与

役員報酬は原則として期首から3か月以内に確定する必要があり、それを過ぎると損金不算入のリスクがあります。また、賞与を支給したい場合は事前確定届出給与の届出が必要で、届出と異なる支給は全額損金不算入となります。設立初年度から適切な報酬設計を行わないと、思わぬ法人税負担が発生します。

関連サービス

横浜

LINEでお問い合わせ

※スマートフォンでご覧の方はボタンをタップして友だち追加できます。

お電話でのご予約・お問い合わせ

045-548-6197

※法律事務所にて一括して電話対応をしております。

営業時間:平日9:30~17:00

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です